新規五輪塔の工事②完成:五条西山共同墓地

前回からご報告している、五条西山共同墓地での新規五輪塔の工事の続きです。

元々は墓所の区画内に、古い竿石などをお祀りする供養檀があったのを撤去し、新たに五輪塔を建てるという工事になります。

新規建碑というわけで、ありがたいことです。

前の記事では、五輪塔の地下部分、納骨室を据えたというところまでお伝えしておりました。

今回はその続きで、本体の建碑作業にかかっていきます。

 

五輪塔というと、いわゆる和型石塔よりも以前から定着している石塔の形式で、文化的には非常に意義のある石塔形態なのですが、作業としましては、通常の石塔を建てるのと基本的に同じ手順です。

今回は芝台が付きますので、最初は芝台から組んでいきます。

石塔全体の一番下を支える台のことですね。

 

 

これが芝台です。

基本的に石塔を構成する各部材というのは、一個ものの石でできているのですが、ご覧のように芝台については四つの石でできているため、「四ツ石」とか「四ツ合わせ」と呼ぶこともあります。

それぞれの石が簡単に緩んだり離れたりしないよう、内側にはL字型のステンレス金具を取り付けて補強してあります。

次にこの上に下台、さらに上台と組んでいきます。

 

 

五輪塔は玉や笠が付くなど、上部は通常の和型石塔とまったく異なった形状をしていますが、竿石の部分までは地震対策のパッドを入れるところは、一般的な建墓と同様です。

背後に見える緑色の機械は、カートクレーンの脚を張り出したところです。

今回の工事は、区画のすぐ近くまでカートクレーンを持っていってセッティングすることができたので、作業が大幅に助けられました。

機械の力は大きいです。

 

写真に見える上台の上に、五輪塔の竿石から上を据え付け、草の生えにくい土を施工して、最後に玉砂利を敷き直せば今回の仕事は完了となるのですが、五輪塔について簡単にご説明するためにも、今回はサラシを巻いた完成写真までご覧いただきたいと思います。

 

 

 

下の写真、白いサラシの布が巻かれている部分が、五輪塔の本来の主要部分です。

布が巻かれていない部材は、上から順に上台、下台、芝台となります。

五輪塔本体は、下から順に竿石、玉、笠、擬宝珠の四つです。

四つなのに何が五輪塔だ?と疑問をお持ちになるかもしれませんが、擬宝珠はその形状からさらに二つの部分に分かれるものとカウントされ、全部で「五」となります。

何が五つなのかというと、これは古代インド哲学に由来する五大思想を象徴しているんですね。

もっとも、五輪塔という石塔の形そのものは、インドや中国でできたものではなく、原型的なものはあったようですが、日本オリジナルの石塔様式です。

で、鎌倉期くらいから供養塔として広く使われるようになった、きわめて由緒のある石塔の形であり、それがお墓にも定着してきたという流れになります。

 

このあたり、五輪塔を掘り下げていくと日本の歴史そのものの勉強にもなって面白いので、またあらためてそれだけで取り上げてみたいと思います。

 

ともあれ今回の工事は無事に終わり、きれいな五輪塔がしっかりと立ちました。

五条西山共同墓地での新規五輪塔工事、これにて完成です。