立春と土用とお墓の仕事

今年の立春は2月4日で、その前日の3日が節分でした。

早いもので、もう一週間になるんですね。

娘が通う保育園でも、ちょっとした節分のイベントがあり、鬼がやって来たと言っていました。

暦の上ではいよいよ春になるわけで、時候の挨拶でも「向春」とか「早春」といった言葉を使うようになります。

今年は暖冬といいながら、ここ数日やや寒さがぶり返している感じがありますね。

しかしこれを越えると、本当に春が近づいて来ているのを実感できるようになるんじゃないでしょうか。

 

ところで、そんな季節の変わり目を、日本では昔から特別な一時期と見なしてきました。

「土用」と呼ばれるものです。

なかなか面白い話題だと思いますので、今回はちょっと土用について書いてみたいと思います。

 

そもそも「土用」という名称、なぜ「土」という漢字が入っているか、ということが疑問になるかもしれません。

これは中国に由来する陰陽五行説で、五大元素と考えられてきた木・火・金・水をそれぞれ春夏秋冬にあてはめ、残った土が季節の変わり目の時期にあてはめられるようになった、というのを起源にするそうです。

ですので、日本では丑の日にウナギを食べる習慣が定着した夏土用がよく知られていますが、土用というのは各季節の節目、つまり年に四回あることになります。

 

土用の期間というのは、基本的には立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を指します。

さて、なぜ石屋が土用なんかを気にしているのか、という話になりますが、日本では昔から「土公神(どこうしん・どくしん)」と呼ばれる土の神様の存在が信じられてきました。

この土公神というのは非常に力が強く、また気を遣わねばならない神様だと考えられてきたようで、今でもわれわれが工事に着手する前に一種の着工の儀式として、「クワ入れ」というのを行なうのは、この神様へのご挨拶という意味があります。

で、土用というのは土公神の力が特に活性化する時期だとされていたため、農作業や土木作業など、土を触る仕事をするのは極力控えられていたようです。

今では土用の土いじりを禁忌とみなす方はほぼおられないと思いますが、農業に携わっている年配の方などは、こういった慣習に気を遣われる方もおられるようです。

 

とはいえ、土用期間中にまったく作業ができなくなるのも困りものなので、「間日(まび)」といって土公神がいなくなり、作業ができる日があると想定されていたり、また土用入りの前から着手していた作業は継続しても大丈夫など、いろいろと方策はあったようです。

わたしたちも、お墓を中心として、日本人の信仰とか風俗習慣にかかわる部分を仕事として扱っているわけですから、土用を気に病んだりはしないものの、ひとつの考え方として尊重しようという思いは持っており、土用明けを迎えるとなんとなくホッとしたりします。

 

というわけで今回は季節がらということもあり、土用のお話しでした。